【労働】キャバクラユニオン


↑記者会見の様子(写真は根来祐さんのブログから)

12月22日、厚生労働省記者クラブで「キャバクラユニオン」の結成記者会見をおこないました。ここに至るまでには多くの出来事がありました。何よりも勇気をもって立ち上がった分会長の桜井凛さんに拍手を送りたいと思います。業界に広く蔓延する違法状態について、相談を受けてゆきます。

私が関わるユニオンだけでなく、昔から様々な合同労組・地域労組で「水商売」や「風俗」で働く人々からの労働相談は常にありました。フリーター全般労組でも単発で相談があり、解決した事例が複数ありました。ところがここに来て相談が単発ではなく相次ぐようになりました。メディアで華やかに取り上げられていることと雇用情勢の悪化もあり女性の仕事が少なく低賃金であることの影響もあると考えられます。相談内容も以前に比べて酷くなっています。とくに酷いのが「罰金」「天引き」と「ノルマ」に基づいて可変的に減給される賃金です。もちろん労働基準法等での違反であり、犯罪行為です。

よく質問されますが、キャバクラで働く女性も労働法規で保護される「労働者」です。判例法理にあるように「使用者から指揮命令を受けている」「勤務場所や時間が拘束されている」「労務の対価として賃金を支払われている」といった観点から労働者であり、当然に労働法規によって保護されます。夜の商売の「常識」「リアルな実態」を充分に踏まえたとしても、この業界は改善しなければならない部分が多いのです。

あと実態を知らずに稚拙に「キャバ嬢は税金を払っていない」という揶揄をネット上でしている輩がいます。しかし実際には通常の企業と同様に所得税を女性達から取っている店も多いのです。仮に源泉徴収していない店でも、そのことで労働法規上の法令違反を免責することにはなりません。さらに悪質な店では女性達から徴収した税を納付していなかった事件も下記のように報道されています。
http://www.47news.jp/CN/200910/CN2009100501000323.html

いずれにしてもキャバクラユニオンを立ち上げた以上、現実の問題を解決してゆかなければなりません。労組の組織率が下がり続け、現存する労組の中でも「闘わない労組」「御用組合」が蔓延している中で、したたかな交渉力と気迫・人数を備えた争議力と仕事に対する誇りをもって、いざキャバクラユニオンよ、行かん。