【労働】協同労働の協同組合法、京品ホテル勝利、ユニオン運動センター

 2月14日の日経新聞(1面)によると今国会で「協同労働の協同組合法」法案が提出されるとのことである。喜ばしいことである。「協同労働の協同組合」とは、労働者自身が出資・経営・労働を一体的におこなう仕事おこしの協同組合のことである。労働者協同組合、ワーカーズコープ、ワーカーズコレクティブ等と呼ばれている。私は16年間、日本労働者協同組合連合会系の組織に勤めていた。日本においては、かつての失業者による労働組合であった「全日自労」の流れを汲む日本労働者協同組合連合会系のワーカーズコープと生活クラブ生協を母体とするワーカーズコレクティブ系の組織が2大潮流である。
 
 私のテーマは、これらの潮流と異なる「労働組合がイニシアティブを取る仕事おこしの協同組合」を創出することである。最もわかりやすい事例が、先日足かけ3年の闘いで勝利和解した「京品ホテル」である。詳しい和解内容をまだ書くことはできないが、画期的なのは「仕事おこし」にかかわる方向性を獲得したことである。ラテンアメリカなどで発達を遂げている「社会再生企業」など資本主義企業の基盤を生かして基幹産業でのワーカーズコープを構築するイメージだ。現在、ハゲタカファンドによる反社会的債権回収を許している民事再生法の空洞化問題に対応する「もうひとつの民事再生・企業再建」として協同労働を位置づけるということである。

↑2009年1月25日の強制執行直後の集会

 こうした京品ホテルのようなユニオンの闘いを無数に創出し、住宅確保や仕事おこしも見据え、そのための人的・物的な育成支援をおこない、研究・情報発信・政策提言の拠点となる「一般社団法人・ユニオン運動センター」を昨日設立した。「協同労働の協同組合法」が成立すれば私たちもこれを活用してゆく。