【労働】派遣切りホットラインと「労働/生存組合」

 2月28日と3月1日、全国ユニオンの事務所で「派遣切りホットライン」を開催している。私も1日は電話相談を受ける。
 従来の労働組合では、経営者との団体交渉や争議で雇用・労働条件を守り、向上させる取り組みを中心としてきた。(それすらやらずに企業内労務管理制度の一部と化している労組もあるが)しかし、新自由主義政策の進行によって働く者の条件は恐ろしいほどに劣化してきた。電話相談を受けた段階で、寮などの住居を追い出され、所持金もなく、途方に暮れている人も少なくないのだ。まさに生存に関わる問題である。
 従って、会社と交渉することは勿論だが、それ以外の取り組みも必要に迫られてくる。例えば、生活保護申請に同行すること、心身の疾病に気を配り適切な対応をはかること、住居の確保をすること、まともな仕事を確保したり創出すること等々である。また「自己責任」に囚われて自分自身を責めたてる人には、「自己責任」と異なる言葉・価値軸・文化でもって語りかけてゆかなければ意思が届かない。
 こうした活動や考え方を包含した労働組合を私たちは「労働/生存組合」と呼んでいる。「派遣切りホットライン」は切羽詰った人々を“救う”側面もあるが、単純な「救民運動」ではない。新しい仲間との出会いでもあり、新しい言葉を生み出してゆく場でもある。